また行きたくなる医院設計のコツ【受付編】

受付は、患者さんが医院に入って一番初めに目にするエレメントです。まさに、「医院の顔」とも言えるのではないでしょうか。

古い医院の場合、待合室にいる患者さんや受付が外から見えないように受付までを大回りする設計が多く見られましたが、患者さんにとっては余計に不安感がつのるでしょう。

そこで、どんな受付だとまた行きたくなるのか、心地よく過ごせるのかをご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

医院の顔である受付のポイント

変化のあるデザインでソフトな印象を

受付は、玄関から入ってすぐ目の前というのも良くありませんが、適度な距離感で受付にいるスタッフが患者さんを視認できることが基本になります。

受付につながる待合室は、木目を使ったりアクセントカラーを入れたりとデザインにポイントを入れることで変化を出します。そうすると、ソフトで優しい印象となります。

また、カウンターの形状に関しても、単調で無機質なカウンターではなく、丸みのあるものなど変化のある形状の方が柔らかく見えます。

受付カウンターにカーブラインを取り入れることで生まれる効果

受付カウンターを無機質なつくりではなく、曲線のカーブラインを取り入れることでデザイン的に柔らかく優しい雰囲気になります。

また、曲線にすることで、受付内のスタッフの視覚範囲が広がるという効果も生まれます。さらに、配置によっては、受付カウンターにカーブラインを付けることで、受付から玄関が視認しやすくなるという効果も生まれるのです。

車いす対応のローカウンターがある場合は、ユニバーサルデザインにも配慮して、サイドやカウンターだけではなく天井や床にもカーブラインをあしらいます。

白やベージュ、オフホワイトなどの優しい色合いを使うことで、より柔らかな優しい雰囲気を演出することができるでしょう。

機能面も充実したつくりに

受付は、機能的な面でも充実したつくりを意識します。

たとえば、手荷物台をつくるのか、車いす用のローカウンターは必要かなどがポイントとなります。福祉のまちづくり条例では、車いす対応カウンターの設置を求められる場合もあります。

また、受付カウンターの内側はスタッフの重要な作業スペースになります。

そこで、パソコンや電話、インターホン、コンセント、アンプ、複合機、LANなどの機器や設備端末を整理しておく必要があります。スタッフが作業しやすいように、すっきりと使いやすい配置にしましょう。

有床診療所の場合、診察時間外にも面会者や入院患者さんが待合室を通ることがあります。そのため、セキュリティのためにシャッターを設けることもあるでしょう。

受付カウンターのサイドやバックにも気を配る

受付カウンターのサイドやバックも、スタッフが使いやすいように機能的に作りこみましょう

カウンターのサイドやバックは通常カルテ棚が設置されます。カルテ棚は既製品もありますが、カウンターとの兼ね合いを考えると、できるだけオリジナルで仕上げたほうが良いでしょう。

受付カウンターの高さや寸法

トップカウンターの高さや奥行き

医院の受付カウンターの構成は、スタッフが事務作業をする作業カウンターと、患者さんとスタッフがやり取りをするトップカウンターの二段構成となります。

通常、受付カウンターの高さは100㎝を基準としており、受付のスタッフが座ってもカウンター越しに待合室が見渡せる高さになっています。

ですが、受付の中を患者さんにのぞき込まれないように少し高めに設定する場合もあります。

トップカウンターの奥行きは20~30㎝程度になることが多いです。患者さんが問診票などを記入する場合は、少し広めに設定することもあります。

ですが、どうしても広さを取れない場合は、クリップボードなどを患者さんに渡して、待合室の座席で記入してもらうケースもあります。

作業カウンターの高さや奥行き

受付カウンターの内側は、スタッフが事務作業を行うスペースとなります。この作業カウンターの高さに関しては、70㎝程度を基準としています。

作業カウンターの周りは、パソコンやレジ、電話、モニター、コンセント、インターフォンなど事務機器や通信設備が並びます。そのため、奥行きは少し広めの50~60㎝程度に設定しています。

ですが、奥行きが深くなりすぎると患者さんとのコミュニケーションがとりづらくなるので注意が必要です。

車いす対応カウンターの高さ

最近では、バリアフリーやユニバーサルデザインの条例による規制で、車いす対応カウンターを設ける医院が増えています。

この車いす対応カウンターを設ける場合、高さは70㎝とし、受付のスタッフが座って対応しやすい高さにします。また、足元には車いすが入るように工夫する必要があります。

車いすで来る患者さんが少ない医院は、車いす対応カウンターと患者さんの相談カウンターを一緒にする場合もあります。

受付は患者さんへの優しさと機能面を重視することがコツ

受付カウンターは、医院設計の中でも非常に重要なエレメントとなります。

患者さんとのコミュニケーションがとりやすく、スタッフには機能的で使いやすく、働きやすいカウンターになるような工夫が大切です。

武内デザインオフィスでは、患者さんが心地よくいられることやスタッフがストレスフリーで働ける空間作りを行うことを考えています。

ご紹介した医院設計のポイントのほかにも、

  • 入りやすいクリニックを設計すること
  • 患者さんが落ち着ける空間をデザインすること
  • 素敵なクリニックだったと記憶に残るクリニックをつくること
  • ドクターやスタッフが気持ちよく働けるクリニックをつくること

この4つの内容を大事にしております。

また、良いクリニックデザインとは、「ドクターの医療活動を後ろから押してお手伝いするようなもの」と考えています。

このように、患者さんが快適に過ごせる空間作りをすることはもちろん、ドクターやスタッフが快適にストレスなく働ける空間をつくることも同じくらい重要なことです。

さらに、良いデザインを考えながら工事コストも調整することを忘れません。

ぜひ、一緒に「また来たくなるようなクリニック」を目指しましょう。

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