2017年 5月 の投稿一覧

産婦人科・小児科の医院設計のポイント

医院設計を行う際に注意しておきたいポイントは、診療科目によっても変わってきます。

そこで今回は診療科ごとの医院設計のポイントについて解説していきます。

産婦人科の医院設計ポイント

最近の産婦人科は、豪華なホテルのロビーのようなラグジュアリーな空間デザインのようなものが増えてきていますね。

産婦人科に来られる患者さんはの多くは病人ではなく、不安や期待を持って来ている方がほとんどです。
そのため産婦人科ならではの気遣いや特徴があります。

妊娠・出産という夢がある医院であるため、ドクターやスタッフの対応だけでなく、建設の面でも患者さんが安心できるような配慮が必要となります。

では産婦人科での各ポイントについて解説します。

①病室

ドクターの意向によって豪華ホテルのようなものであったり、アットホームな雰囲気の病室などに分かれます。

産婦人科の病室は母子同室の場合もあり、テレビや冷蔵庫などのサービスも必要となります。
酸素や分娩監視装置などの設備端末も多く、ベビーコットや家族用のソファーなども置くため、スペースが必要であり、上手くレイアウトしなくてはなりません。
特別室の場合はトイレ付やシャワーの設置が必要となる場合もあります。

そのため、設計前にどれだけリアルに診療のイメージが出来るかが重要となります。

②LDRルーム

LDRとは陣痛から分娩、産後回復までを同じ部屋で過ごす出産の方法のことを言います。
お産の進行によって部屋を移動する必要がないため、精神的にも肉体的にも妊婦さんにかかる負担が軽くなるようです。

③ナースステーション

産婦人科のナースステーションは、新生児室と隣接して監視がしやすいように配置する必要があります。
また、患者さんや家族の方も来られ、夜間の対応も必要となるため分かりやすい場所であることが求められます。

ナースステーションは医療施設の管理部分にもなるため、監視カメラモニターや自火報設備、インターホンモニター、ナースコール機器などの様々な設備機器が壁に並ぶため配置も重要となります。
特にオープンタイプのナースステーションでは壁に目がいくため、整理整頓された配置になるようにしましょう。

④新生児室

新生児室は助産師の監視が必須となるので、ナースステーションに隣接した配置となります。

コットと保育器が置かれたガラス張りの部屋ですが、安全性を考慮してフィルムを貼る必要があるでしょう。
また、新生児室の出入り口はロールスクリーンも設けるようにしましょう。

ガラス越しに新生児と対面する場でもあるので、キッズ用の内装である場合が多く、産婦人科の中でもほのぼのとした温かい場となります。

⑤ダイニングルーム

産婦人科では、入院されている患者さんの食事は部屋でとる場合と食堂のようなダイニングルームでとる場合とで分かれます。

食事内容も産院選びのポイントになる部分ですし、中にはしっかりと調理師を雇った食事を用意するところもあります。
産婦人科に入院される方は病気というわけではないので、ダイニングルームの方が気分転換に良いかもしれませんね。

ダイニングルームでは入院している方同士の交流の場ともなるので、ウォーターサーバーやコーヒーサービスなどもあると嬉しいですね。

小児科の医院設計ポイント

小児科の開業は口コミが取りやすいい診療科となります。

インターネットやスマートフォンを意識した戦略をとれば比較的早い段階から軌道に乗せることが可能ですが、逆をいうとネガティブな口コミも広がりやすいため、クリニックの清潔感や待ち時間に注意する必要があります。

①予約システムの導入

小児科に来られるお子さんの親御さんは、「自分の子供が体調を崩している時に待たされる」という状況にとても敏感になります。
そのストレスを回避するためにスマートフォン対応のインターネット予約システムを導入することをおすすめします。

医院の待合室で待たされるより、家やクリニックの駐車場で順番を待っているようにするだけでも待たされているという感覚は軽減されますし、院内感染の予防にも効果があります。

②住宅地での開業、駐車場あり

小児科に来られる方はお子さんと付き添いの親御さんであることがほとんどです。

自分の子供が体調不良となってしまった時の親御さんの気持ちは「早く自分の子供を診て欲しい」という気持ちでいっぱいなので、駅周辺の混雑した遠い場所よりも、マンションや住宅地の集まった閑静なエリアの方がおすすめです。

また、車や自転車でお子さんを連れてくる方がほとんどなので、十分なスペースを確保した駐車場・駐輪場が必要となります。

③隔離室を設置する

郊外や地方で比較的広い土地を確保した診療所の場合、隔離室を設けることをおすすめします。

クリニックにもよりますが、おたふくかぜや麻疹、風疹、水痘など感染性の強い病気の患者さんは入口から分けることもあります。
隔離室を設ける場合は、受付のスタッフを呼び出すインターホンも必要になります。

④靴履き替えの有無

床に座り込んでしまうお子さんや汚れた靴を履いているお子さんも居るため、玄関で履き替えをするクリニックが多いです。
履き替える場合は、紫外線滅菌機付収納ケースで滅菌したスリッパを用意するか、床暖房を入れて裸足でも寒くないようにするかといったことが必要でしょう。

⑤キッズルームの有無

今まではキッズルームを設けるクリニックが多かったですが、子供同士の喧嘩や感染防止の点から、現在ではキッズルームを設けていないクリニックも増えています。
その代わり待ち時間短縮のための予約システムやスタッフ教育に力を入れるクリニックが多いです。

キッズルームを設けないぶん、お子さんだけでなく親御さんも喜ぶような雰囲気づくりを心がけましょう。

例えば絵本やちょっとしたおもちゃ、消毒液などを設けたり、待合室のソファーや椅子などのデザインを工夫してみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

産婦人科・小児科ともに他の診療科とは少し違った特性があり、設計段階のうちにどれだけリアルに診療のイメージができるかどうかで大きく左右されます。

武内デザインオフィスでは、医院デザイン実績100件を超える経験を活かして最高のクリニックの設計をします。
開業後のドクターからのクレームゼロを続けられているのは、ドクターやスタッフ・協力業者との連携がうまくとれているためです。

理想のクリニックづくりを武内デザインオフィスで行ってみませんか?

医院リフォームを成功させるために押さえておきたいポイント

すでにご自分のクリニックを持っていられる方でも、さらに理想的なクリニックにしたいと考えている人は多いです。

心地よい空間であれば、自ずと人が集まってきます。
クリニックを見直して患者さんやスタッフ、ドクターが過ごしやすい快適な空間を作ることは、医院経営の安定にも大きな影響を及ぼします。

もちろん一番大切なのは診療方針となりますが、リフォームが経営の転機となることは珍しくありません。

そこで今回はリフォームを考えている方に参考にしてほしい医院リフォームを成功させるためのポイントについて解説していきます。

医院リフォームを成功させるためのポイント

①スムーズな動線を考える

医院リフォームで考えなくてはならない動線は2つあります。
それは、患者さんが通る「表動線」とドクター・スタッフが通る「裏動線」です。

表動線をスムーズにするポイントは「回遊性」を持たせることです。
回遊性を持たせるということは、待合室から診察室、処置室、検査室、再び待合室に戻るという一連の過程において、円を描くように流れをつくるということです。
円のような流れをつくると移動に無駄がなくなります。

一方でドクター・スタッフの動きをスムーズにする裏動線も重要になります。

裏動線を効率よくさせるには、表動線とは異なり、中心から「放射状に伸びるような動線」にすることがもっとも理想的です。
診察室を中心に処置室、検査室、受付が放射状に繋がり、それらの部屋が通路で結ばれることで移動がスムーズになります。

②合理的な設備計画

医療機器の選択は、実は設計上で肝と言っても過言ではないくらい重要なポイントです。

どのような機器を使用して、それを誰がどのように使うのかを具体的に見なければ実際の動きをシミュレーションすることが出来ず、合理的にレイアウトを考えることが出来なくなるからです。
さらに機器の配置によってコンセントの位置や数まで考えなければならなく、データをネットでやり取りするクリニックをであれば無線LAN配線まで考慮しなくてはなりません。

そしてもう一つ大事になるのが照明です。

診療室は皮膚の色などがはっきり識別できるよう、直接照明と間接照明を組み合わせてより自然に近い色を出すことが必要になります。
最近では明るいLEDが普及しているので診察室におすすめです。

③患者さんへのホスピタリティー

医療は対人である以上、少なからずサービス業の側面があり、ホスピタリティも重要となってきます。

ホスピタリティとして必ず押さえておきたいポイントは患者さんがくつろげるような空間的配慮です。
より良い診療環境を整えるだけでなく、診療とは直接的な関係のない待合室やトイレなども快適に過ごせるように工夫をしたいところです。
トイレは患者さん用とスタッフ用を別々に設けて、患者さん用のトイレは待合室の近くに設置しましょう。

例えば、待合室はリビングルームのような温かみのあるデザインや照明を使い、さらにBGMによって視覚・聴覚ともに心地よい雰囲気づくりが可能です。

そういった工夫から患者さんはクリニック側の心遣いを感じ取り、心地よく過ごしてもらえるのです。

また、医院は公共性の高い建物であるため、外観も街並みから外れないように調和された親しみやすいデザインが好ましいです。

④診療別のコツを押さえる

上記の他にも、それぞれの診療科によって異なるポイントがあります。

例えば内科なら、他の科に比べて比較的患者数が多いため、出来るだけ患者さんを待たせないようにする工夫が必要です。
診察室を2か所設けて交互に使うことなど、診療を効率的に出来るようなプランが必要になります。

一方、小児科の場合は外観のデザインから院内のインテリアまで親しみやすい色使いのデザインや、おもちゃや絵本を用意するなどの工夫があると望ましいです。
また子供には必ず付き添いの方が居るので、待合室は広めに設け、椅子なども多めに配置する必要があります。

⑤段差のないアプローチと出入口

クリニックの入口には、車いすの方でも入りやすいようスロープを設置するようにしましょう。
出入り口の段差もなくしバリアフリーにするのも基本的なポイントです。

今までは入口で中履きに履き替えるクリニックが多かったですが、最近では土足のまま出入りできるようにしているものが主流になります。

⑥色彩計画で印象を変える

クリニックの設計で重要となるのは動線や安全・清潔感など「医療を行う場として機能的で効率的な空間」であることが求められてきました。

しかし白や青一色に統一された無機質な空間でいかにも病院といった空間が苦手といった人が多いのも事実です。
そのため、最近では機能性や効率性に加えて「親しみやすい安らぎを感じる空間」であることが求められています。

特に地域に密着した形の小さな個人医院であれば、触れ合いや安らぎといった点はとても重要になります。

そこで重要になるものが「色彩計画」です。
白や青一色で統一するのではなく、ピンクやグリーンなど気持ちを落ち着かせてくれる色を使うことや、木目調の床材にするなどの工夫のことを言います。

その医院らしさを色で表すことも出来るので、医院のイメージカラーを基調にデザインするクリニックも増えています。

設計士だけでなくカラーコーディネーターにも同席してもらうと、色による効果について詳しく教えてくれるのでおすすめです。
ソファーや観葉植物、壁に飾る絵なども印象を左右するため、素材の組み合わせも考えてみましょう。

まとめ

住宅などの一般的な建築と比べて医院のデザイン・リフォームはその分野ならではのノウハウが求められます。
したがって建設会社にはそのクリニックがどのような診療コンセプトを持って、どれだけのスタッフが働き、どの医療機器を使って具体的にどんな動きで診療を行うのかなどをリアルにシミュレーションできる力が重要となってきます。

反対に、医院デザインの実績が豊富にあり十分なノウハウを有している会社であれば最新の医療機器なども含めた幅広い知識を持っているため、アドバイスも可能で強い味方となってくれます。

経験値がものを言う分野でのリフォームだからこそ、会社選びは重要となります。

 

武内デザインオフィスでは同じコストで最高の結果を出すことを掲げています。

予算内でどれだけ良いクリニックをデザインできるかでデザイナーの能力は決まります。
同じコストのかかる素材を使っても、デザインやコーディネート次第では見え方が変わってきます。

当たり前のことですが、ただ良いデザインを作るだけでなく、デザインしながらコストも調整することが出来るバランスの良いデザイナーであることが本当の意味で優秀なデザイナーであると言えます。

デザインワークだけではない”Something else”を常に追及していきます。

医院設計の依頼先を賢く選ぶポイントとは?

自分のクリニックを開院しようと考えた時に、どの業者に依頼をするか悩みますよね。

医院設計を依頼する場合、大きく分けて3種類の業者があります。
今回はそれぞれの特徴とメリット・デメリットについて紹介します。

3つの業者

ではそれぞれ見ていきましょう。

①建設会社

まずは建設会社です。
建設会社は医院設計・施工を一貫して受注してくれることが特徴です。

【メリット】

  1. 設計・施工を一貫して依頼できるので手間がかからない
  2. 良い建設会社を選べばお任せでの設計も可能

【デメリット】

  1. 依頼する段階では図面がないので、工事費を他と比較検討することが困難
  2. 工事監理も一貫して行うため問題のない工事が行われているか確認が取りにくい

工事費用に関しては概算で比較検討を行うことはできますが、あくまで概算となってしまうので、詳細な設計を行っていくうちに予算にどんどん追加料金がかかってくるといった可能性もあります。

また、設計を行う建築士の方は建設会社内の建築士か外注の建築士が行うため、自分で建築士を選ぶことはできません。

さらに、基本的には医院以外の工事を行うことが多いので、医院・診療所の不慣れな場合もあります。
こちらも工事に関しては素人であるので、良い建設会社であるかどうかを判断するのは難しいかもしれませんね。

②ハウスメーカー

次にハウスメーカーです。
ハウスメーカーも医院設計・施工を一貫して受注してくれるところがあります。

【メリット】

  1. 設計・施工マニュアルによってある程度の品質が保たれている
  2. 遮音性や構造など独自の仕様を持っているところもある
  3. 設計・施工を一貫して依頼できるので、手間がかからず、支払いも別々にならずに済む

【デメリット】

  1. 同じ建設条件で比較することが難しいため、工事費用が妥当であるか判断しにくい
  2. プレハブ系のハウスメーカーの場合、プランに制約がある場合がある
  3. 認定工法のため、将来増改築をする際に対応が困難な場合もある

ハウスメーカーの場合も、設計と施工を一貫して行ってくれるため、客観的な工事監理チェックが難しくなっています。

また、基本的に住宅の設計を行っている建築士であるため、医院設計は不慣れな場合があります。

 

③建築家・建築士・設計事務所

最後に設計事務所などに依頼するケースです。
医院設計を建築家・設計士・設計事務所に依頼して、工事を建設会社に依頼する方法となります。

【メリット】

  1. 自分で気に入った建築家・建築士・設計事務所を選ぶことが出来る
  2. 優秀な建築家・建築士・設計事務所を選べば、スタッフや患者さんが使いやすい理想的な医院を建てることが出来る
  3. 建築士が書いた図面で各建設会社に見積もりを出してもらい、比較検討が出来る
  4. 建築家・建築士・設計事務所が自分と同じ立場で工事を監理してくれる

【デメリット】

  1. 設計料、工事費用を別々に支払う必要がある
  2. 別々に依頼をするため料金が高くなる可能性がある

設計事務所が依頼主の代理人として、設計図の作成・申請業務・工事監理などを行ってくれます。
工事費の見積もりを査定して場合によっては減額。設計変更などの工事費用調整を行い、適切な施工会社を選定してくれます。

賢く業者を選ぶポイント

では次に、どうやって依頼する業者を選べばいいのか、4つの方法をご紹介します。

①面談などで選定する

まずは、面談などを行い選定する方法です。

営業担当だけでなく、設計の統括責任者や主任担当者との面談やヒアリングを中心に、会社概要や実績も聞けるといいでしょう。

②プロポーザル方式で選定する

プロポーザル方式とは、具体的に計画提案を行うのではなく、依頼の案件に対する発想や解決方法などの提案を審査して設計者を選ぶ方法のことです。

ただ面談を行うのではなく、依頼案件の関わる実施体制や実施方針などを聞き、判断するようにしましょう。

③計画提案付プロポーザル方式で選定する

②の方法に加えて、少し具体的な提案を求めることで判断する方法です。

面談で良い印象を受けた設計者さんであれば、もう少し深くまで入った具体的な話をしてみるといいでしょう。

④設計競技方式で選定する

最後に、具体的な設計案を見て選定する方法です。

プロポーザル方式が「設計者」を決める方法であれば、設計競技方式は「計画案」を決める方法と言えます。

注意すべきポイント

医院設計をする際は設計を進めていくうちに、医院側の意向などでコストが膨れ上がってしますことが多々あります。
予算よりお金がかかってしまった要因がはっきりしていて、合意の上であれば問題ありませんが、なぜコストがかかってしまったのか分からないといったケースも多いです。

では、予算超過にならないためにはどうすればいいのでしょうか?

対策としてはまず、基本となるプランや医院の仕様などの計画案の概要を出来るだけ詳細に提示してもらうことです。

次に、その計画案に沿った見積もりを出してもらいましょう。
その見積書は、数量×単価が分かるような形で出してもらうとなお良いです。

このような対策を取ることで、あとあと設計に変更が生じた際、どの部分が変更になって見積金額が変わったのかが分かります。

建設中にコストが膨らみ始めたら、当初の計画や仕様などを見直してコスト削減が可能な部分などを洗い出し、調整していくことも可能となります。

まとめ

医院設計は、通常の住宅などの建物に比べて難易度が高くなります。
それは、様々なスタッフの方が働いている複雑性や診療方針改定などの変化が多いこと、院内感染を防ぐための設計などを設計計画の中に盛り込まなくてはいけないためです。

ですので、設計を依頼するパートナーを選ぶ基準はとても重要となってきます。

大事なパートナー選びですので、様々な視点で評価できるよう、なるべく多くの情報を仕入れて総合的に見ることをおすすめします。

 

武内デザインオフィスでは以下の点を大事にしています。

  1. 入りやすいクリニックにすること
  2. 患者様が落ち着ける空間をデザインすること
  3. 「素敵なクリニックだった」と記憶に残るクリニックをつくること
  4. ドクターやスタッフが気持ちよく働けるクリニックをつくること

100件以上の医院設計の実績を活かして最高のクリニック造りをお手伝いします。

開業後のドクターからのクレーム0を続けていられるのは、デザインだけでなくスタッフや協力者との連携があってこそです。

患者様が快適に過ごせる空間はもちろんのこと、ドクターやスタッフのことまで考え快適に働ける空間づくりをしております。